生前贈与

生前贈与とは、自分が生きている間に、自分の財産を人に与えることです。そして、この贈与を行ったときにかかる税金が「贈与税」です。
贈与税は、相続税の補完税と言われ、相続税を支払いたくないがために生前に相続財産から財産を除外する行為に歯止めをかける役割を担っています。そのため、贈与税は基礎控除が低く抑えられ、税率も高いものとなっています。
しかし、超高齢化社会となりつつある近年では、相続によって財産を引き継ぐ者の年齢も高くなり、多くの相続人の年齢が50歳以上になることが予想されます。そうなれば、せっかく相続した財産がうまく活用されないまま、また次の相続を迎えることになります。

この高齢者の保有する資産を現役世代により早期に移転させ、その有効活用を通じて経済の活性化を図るために贈与税の緩和が図られています。

相続対策としての生前贈与

平成27年の税制改正により、相続税の基礎控除が引き下げられ、これまで相続対策が必要でなかったご家庭にも相続税対策が必要となってきました。
生前贈与をすれば、その財産は相続財産から外されるため、相続税対策となります。また、計画的に贈与を行うことで、より相続税対策の効果が高まります。

1.暦年贈与を利用する

暦年贈与とは贈与税の課税方式の1つで、1年間の贈与についてまとめて課税する方法のことです。後で説明する相続時精算課税制度に対して暦年課税と呼ばれます。 1年間の贈与額が110万円以下なら贈与税がかかりません。 110万円を超える分については超えた金額分だけ贈与税が発生し、税率も金額によって変化します。
贈与を受ける対象者についての制限がありませんので、子や孫だけでなく、それ以外の方にも財産を渡すことができます。

贈与税の課税対象金額 税率
右記以外 直系尊属→20歳以上の者
200万円以下 200万円以下 10%
300万円以下 400万円以下 15%
400万円以下 600万円以下 20%
600万円以下 1000万円以下 30%
1000万円以下 1500万円以下 40%
1500万円以下 3000万円以下 45%
3000万円以下 4500万円以下 50%
3000万円超 4500万円超 55%

2.相続時精算課税制度を利用する

この制度は、親から子の世代への贈与をスムーズにすることを目的に作られた制度です。
生前に贈与をした場合には2500万円の贈与まで贈与税がかかりません。これを超える部分については一律に20%の贈与税を納めることになります。その代わりに相続のときには、生前に贈与された財産と相続された財産を加えた額に相続税がかかるという制度です。
この制度は、贈与してくれる人ごとに、相続時精算課税制度を選択するか、しないかを選択することができます。ただし、注意しなければならないのが、相続時精算課税を選択した場合は、その人からの贈与は、その年以降、暦年課税に変更することはできなくなるということです。

相続時精算課税制度の要件

  1. 60歳以上の父母祖父母から、その者の20歳以上の子や孫への贈与であること。なお、年齢は、贈与があった年の1月1日を基準にします。
  2. 暦年課税ではなく、相続時精算課税制度を利用する場合には、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出すること。
暦年贈与 相続時精算課税制度
贈与者 制限なし 60歳以上の父母・祖父母
受贈者 制限なし 20歳以上の子・孫
基礎控除額 受贈者ごとに毎年110万円 贈与者ごとに2500万円
税率 超過累進税率(2種類の税率構造) 一律20%
相続時 相続開始前3年以内の贈与財産は相続財産に加算 相続財産に全て持戻す
持戻し価格 贈与時の価格 贈与時の価格
メリット
  • 相続財産を減らすことができる
  • 長期的計画的に相続対策ができる
  • 一度に大型贈与がしやすい
  • 値上がりする財産や収益物件の贈与により、相続財産の増加を防ぐ
デメリット
  • 大型贈与がしにくい
  • 基本的に相続税の節税効果がない
  • 暦年贈与に戻れない

3.夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除を利用する

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除(配偶者控除)できるという制度です。ただし、配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。

配偶者控除を利用する要件

  1. 贈与日において婚姻期間が20年以上であること
  2. 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
  3. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

4.直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度を利用する

平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に、父母・祖父母(贈与者)が、子・孫(受贈者)名義の金融機関の口座等に教育資金を一括して拠出し、その資金について、子・孫ごとに1500万円(学校等以外の者に支払われるものについては、500万円が限度)が非課税となる制度です。
受贈者は、「この特例を受ける旨」及び「教育資金の支払いに充当した場合にはその旨」を金融機関に届け出て、金融機関経由で税務署に申告します。そして、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額については、受贈者が30歳に達した日に贈与があったものとして贈与税が課税されます。

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  • 子供や孫に、不動産(土地・建物)や現金などの資産を贈与したい
  • 生前に子供や孫に贈与を行って相続対策をしたい
  • 生前に自宅を妻名義にしておきたい
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